遠州WEBマガジン 綺麗さび情報提供サイト

尾高焼 楽山窯 清水久嗣 陶歴30年記念茶陶展

ギャラリーきほう展  

遠州流家元職方の清水久嗣氏の陶歴30年記念茶陶展をギャラリーきほう、ギャラリーきほうオンラインにおいて開催中です。

清水久嗣先生プロフィール

1971年三重県四日市市生まれ。陶芸家。遠州流家元職方「向栄会」会員。1992年より父である清水日呂志氏につき修行。1994年韓国の聞慶、利川などにて研修。1999年名古屋三越にて個展を開催(以降4回開催)。2006年韓国武安郡に駕洛武安窯を築窯。2012年明治村野点席を担当し、作品を出品する。2021年東京日本橋三越本店にて個展。初代楽山は曽祖父。二代目の日呂志が戦死し、三代目日呂志は二代目の甥であり、清水久嗣氏の父。曽祖父が開いた尾高焼 楽山窯・韓国駕洛窯の四代目当主。

楽山窯が遠州流茶道の御用窯となったのは、宗明宗匠に指導を受けた初代清水楽山で清水久嗣氏は四代目。清水さんの窯の来歴、四代目の作陶の道を遠州流茶道月刊茶道誌「遠州」2021年10月号と11月号の『訪問記』じっくりご紹介します。

尾高焼 楽山窯 清水久嗣 陶歴30年記念茶陶展

清水久嗣先生の陶歴30年を記念し、2021年9月14日から「尾高焼 楽山窯 清水久嗣先生」の作品をギャラリーきほうとギャラリーきほうオンラインにて展示販売いたします。

井戸茶碗 銘「吉野山」 清水久嗣作

いまもなお昔の跡をしるべにてまた尋ねいるみよし野乃山  小堀宗実家元書付

井戸の茶碗は高麗茶碗を流行させた根源をなすものですが、その特徴を十分に再現する中にも作家自らの意匠を組み入れた傑作ともいえる逸品に仕上がっています。琵琶湖を呈した素地に釉調の変化に富んだ景色から、宗実家元より「吉野山」という銘とあわせて歌銘も頂いています。

伊賀花入 清水久嗣作

全体に豪快で力強い印象をもつ形容で、頸部に五筋の筋目を入れたところにビードロ釉の釉溜りと、筒形の胴正面には大胆に箆で一筋搔ききった溝は彫塑を思わせ、荒々しく大胆な形状や窯変は、伊賀焼の独創力を如実に示した作為性の強い意匠を見事に受け継いでいる優品といえます。

南蛮海老耳水指 清水久嗣作

南蛮水指は、ベトナム、タイ、フィリピンをはじめ、南支那、南洋、琉球方面から南蛮貿易によって室町時代後期を中心に日本にもたらされた、無釉の焼締物の甕や鉢などが水指として見立てられ用いられたものをいいます。本作は、南蛮海老手水指の倣しで、その特徴は口がすぼみ、口縁は玉縁(たまぶち)で、海老の形をした耳が付き、肩がなく、胴の中程から胴裾にかけてわずかに膨らんだ形のものをいいます。蓋はハンネラ蓋の共蓋になっており、濃茶にもご使用いただけ、全体に水を含ませると、一段と味わいのある景色になります。